■太陽フレアとは 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
太陽の大気中に発生する、太陽系で最大の爆発現象のこと。
フレアの大きさは通常数万km程度であり、威力は水素爆弾10万~1億個と同等である。100万度のコロナプラズマは数千万度にまで加 熱され、多量の非熱的粒子(10keV-1MeVの電子や10MeV-1GeVの陽子)が加速される。同時に衝撃波やプラズマ噴出が発生し、時おりそれらは地球に接近して、突然の磁気嵐を起こす[1][2]。
フレアの規模はX線の強度により分類される。X、M、C、B、Aの等級があり、Xが一番強い。
フレアの発生機構については、太陽活動領域中に蓄えられた磁気エネルギーが、磁気再結合によって熱エネルギーや運動エネルギーに変換されるという説が有力である。
2003年11月4日には、観測史上最大のX28という大規模な太陽フレアが観測されています。
(東日本大震災の発生源となったと思われる2011年3月10日太陽フレアの約18倍!)
幸いにも、この太陽フレアは地球をそれたため大きな被害はなかったそうです。
■太陽嵐
太陽嵐(たいようあらし, 英:Solar storm)とは、太陽で非常に大規模な太陽フレアが発生した際に太陽風が爆発的に放出され、それに含まれる電磁波・粒子線・粒子などが、地球上や地球近傍の人工衛星等に甚大な被害をもたらす現象である。
太陽嵐によって、プラズマが地球の磁力線に沿って南北の極から流れこむと、磁気嵐が発生します。
磁気嵐は地球の磁場を歪め、電波障害を引き起こします。
1989年に太陽嵐の影響によって、巨大な磁気嵐が発生しました。
カナダのケベック州では、変圧器や送電線が壊れ、広い地域で停電が起こりました。
電力網が完全に復旧するのに何十日もかかり、数十億ドルの損害が発生したと考えられています。
太陽嵐により放出される電磁波などは、その速度の違いによって、3段階に渡って別々に到達する。まず、最初に到達するのが電磁波で、これは光速度で伝わるためわずか8分程度で到達する。これは主に電波障害を起こし、多くの通信システム(人工衛星、飛行機の無線など)が使用できなくなってしまう。
次に来るのが放射線で、これは数時間で到達する。宇宙飛行士などは放射線を遮蔽できるような施設内に避難しないと被曝してしまう。
最後に来るのがCME(コロナガス噴出、コロナ質量放出)と呼ばれるもので、2~3日後に到達する。この影響が最も危険であり、これに伴って磁気圏内に生成される電気エネルギーが原因となって発生した誘導電流が送電線に混入すると電流が乱れ、停電、電力システムの破壊を招く。
■太陽風
■コロナ
■コロナ質量放出
激しい太陽フレアが起こると、コロナ質量放出(CME)も発生することがあります。
コロナ質量放出が起こると、秒速1280~1450キロで荷電粒子やエネルギーが放出されるのですが、その量は莫大で、エベレストに匹敵する量の物質が宇宙空間に飛び出します。
■磁気嵐
磁気嵐(じきあらし、Magnetic-storm)とは通常、中緯度・低緯度において全世界的に地磁気が減少する現象のことを指す。
典型的な磁気嵐では地磁気は数時間から1日程度の時間をかけて減少し、その後数日かけて徐々にもとの強さまで回復していくという過程をとる。このうち地磁気が減少し磁気嵐が発達する過程を主相、回復する過程を回復相と呼ぶ。磁気嵐にともなって変化する地上の磁場は通常時の1000分の1程度だが、大規模な磁気嵐のときは通常時の100分の1程度の変化が観測される場合もある。
このような地上の磁場の変化は、主にリングカレントの発達による効果と考えられている。磁気嵐が発達するのは南向きの磁場をもった太陽風が地球磁気圏に吹きつけているときであり、リングカレントの発達に太陽風中の磁場が重要な役割を果たしているものと考えられている。
大規模な磁気嵐の多くはフレアに伴ってコロナ質量放出(CME)と呼ばれるプラズマの塊が太陽から放出され、それが強い南向き磁場をともなって地球磁気圏に吹きつけた場合に発生する。このような磁気嵐はフレア発生から1~数日後に観測され、太陽フレアが太陽黒点の活動と関係していることから太陽黒点数が多い太陽の活動が活発なときに発生しやすい。
また、太陽のコロナが希薄な領域から吹き出る高速の太陽風によって弱い磁気嵐が起きる場合もある。このような磁気嵐は、太陽活動が最も活発な時期から数年経過した頃によく観測される。
磁気嵐の主相時は激しいオーロラ嵐も一緒に発生する場合が多く、その場合、特に高緯度地域ではその効果による激しい磁場の変化も観測される。このような磁場変化は地上の送電線などに誘導電流を作るので、まれに高緯度地域の人々の生活にも影響を及ぼすこともある。例えば1989年3月、太陽フレアによる強い磁気嵐が起きた際には激しいオーロラ嵐による磁場の変動が原因となってカナダの送電システムが障害を起こし長時間の停電が発生した。
その他、磁気嵐が発生すると人工衛星の電子精密機器の故障、無線通信の障害などの悪影響が出る場合がある。これらを未然に防ぐため近年、磁気嵐を予測する宇宙天気予報の研究が進められている。
■CME

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